退職金2.:受取る側 (2009/5/28)
退職金は今後の生活資金となるものですので、税負担が軽減されるようになっています。
退職したことにより受取る場合
(1)退職所得
所得税法上の退職所得となります。退職所得の計算は以下のようになります。
(退職金-退職所得控除額)×1/2=退職所得
勤続年数 (1年に満たない端数があるときは、1年に切り上げます。) |
退職所得控除額 |
20年以下 | 勤続年数×40万円(80万円に満たない場合は、80万円) |
20年超 | (勤続年数-20年)×70万円+800万円 |
(注) 障害者になったことが直接の原因で退職した場合の退職所得控除額は、上記の方法により計算した額に、100万円を加えた金額となります。
具体例
退職金2,000万円、勤続年数29年6ヶ月
退職所得控除額:(30年-20年)×70万円+800万円=1,500万円
退職金:(2,000万円-1,500万円)×1/2=250万円
この250万円に対し所得税が課税されます。
所得税:250万円×10%-97,500円=152,500円
(2)確定申告の有無
退職所得は、原則として他の所得と分離して所得税額を計算します。所得税は累進課税ですので、他の所得と分けて計算することで税負担が小さくなります。
なお、退職金の支払の際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人の場合は、退職金の支払者が所得税額を計算し、その退職金の支払の際、所得税の源泉徴収が行われるため、原則として確定申告は必要ありません。
一方、「退職所得の受給に関する申告書」の提出がなかった人の場合は、退職金の支払金額の20%が源泉徴収されますが、この税額の精算は、退職所得の受給者本人が確定申告することにより行うことになります。
上記の具体例では、受給者は退職金2,000万円×20%=400万円の源泉所得税が徴収されます。支払者は「退職所得の受給に関する申告書」の提出がないのに源泉所得税を徴収していない場合は、支払者が受給者の源泉所得税を納付することになります。