28年税制改正⑦ 軽減税率導入後の事務手続き②
平成28年度税制改正 第7回目 軽減税率導入後の事務手続き②
今回も軽減税率が導入された場合の事務手続きについてご紹介いたします。
前回お伝えしましたように消費税率10%導入時から4年間(本来は平成29年4月から平成33年3月まで)は簡素な方法として「区分記載請求書等保存方式」となります。
その後(本来は平成33年4月以降)は「適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度」が導入されます。
事業者ごとに分けてご説明いたします。
1.課税事業者で飲食料品を取り扱う小売・卸売業(スーパーマーケット)や飲食業
これらの事業者は軽減税率対象品目の「売上・仕入れ」が両方あります。
①売上の事務手続き
適格請求書等には「区分記載請求書等」の記載事項に加えて「※登録番号」、「税抜価額または税込価額を税率ごとに区分した合計額及び適用税率」、「消費税額等」の記載が必要になります。
※適格請求書等を発行できる事業者は、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者となります。
適格請求書発行事業者には、取引の相手方である課税事業者から求められた場合、適格請求書等の交付及び写しの保存が義務付けられます。
②仕入れの事務手続き
取引先から「適格請求書等」を受領します。この適格請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります。
2.課税事業者で軽減税率対象品目の「仕入れのみ」ある場合
こちらは多くの事業者が該当します。軽減税率対象品目の売上はありませんので、上記1①の手続きは不要です。
上記1②の手続きのみ必要になります。
3.免税事業者の場合
課税事業者でないため、「登録番号」を取得できません。
したがって「適格請求書等」を発行することができません。
今までは課税事業者・免税事業者を問わず売上高に消費税を乗せて請求することができましたが、
インボイス制度の導入により登録番号を取得できない免税事業者は消費税を請求できなくなります。
星野