みなし贈与(2回目)
みなし贈与(2回目)
前回に引き続きみなし贈与についてご紹介いたします。
(3)債務免除・低額譲受
①債務免除
対価を支払わないで債務の免除を受けたときは、免除を受けた人が、免除した債務の金額を免除した人から贈与したものとみなされます。
・子が親に債務(借入金等)の返済をしてもらった場合には、子は父からその返済をしてもらった借入金等の金額の贈与があったものとみなされます。
②低額譲受
時価よりも著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合には、その財産の時価と支払った対価との差額について、財産を譲渡した人から贈与により取得したものとみなされます。
著しく低い価額の対価であるかどうかは、個々の具体的事案に基づき判定することになり、「資産の時価の2分の1に満たない金額」により判定するものではありません。
・子が父から「時価」5,000万円の土地を2,000万円で譲り受けた場合には、差額の3,000万円の贈与があったものとみなされます。
③贈与とみなされない場合
上記の債務免除・低額譲受に該当したとしても、子(利益を受けた人)が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合に、父(扶養義務者)から利益を受けたときは、その債務を弁済することが困難である部分の金額については、贈与とはみなされません。
(4)負担付贈与
負担付贈与とは、受贈者に一定の債務(借入金等)を負担させることを条件にした贈与をいいます。
父が子に3,000万円の借入金の返済を条件に「時価」5,000万円の土地を贈与した場合には、父から子へその差額である2,000万円の贈与があったものとみなされます。
*低額譲受と負担付贈与の時価は、贈与財産が土地等や家屋等の場合には、贈与時の通常の取引価額となります。
土地等や家屋以外の財産の場合には、相続税評価額になります。
次回に続きます。
星野