出張した場合の旅費の損金算入について①
法人の役員や使用人が出張を行った場合の旅費について、その法人の業務の遂行上通常必要と認められる部分については損金の額に算入されます。したがって業務の遂行上必要と認められない金額はもちろんですが、業務の遂行上必要な部分であっても通常必要と認められる金額を超える部分については、原則として、当該役員又は使用人に対する給与となります。
では、業務上必要な出張に合わせて、個人的に観光を行った場合はどうなるでしょうか?
この場合、当該旅費のうち滞在費用については業務上必要な期間と観光に充てた期間で按分することになります。観光に係る部分の金額については業務上必要と認められませんので、当該役員又は使用人に対する給与となります。
なお、現地までの往復の旅費については観光を行っても行わなくても発生するものになりますので、法人の業務の遂行上必要と認められるものとして、損金の額に算入されます。
≪具体例≫
法人の役員A氏は、取引先との商談のため海外への出張を行い、商談終了後に現地にて観光を行った後に帰国した。取引先との商談は3日間、観光は4日間、トータルの旅費は34万円(内滞在費用14万円、往復の旅費20万円)だった。
滞在費用14万円は現地での滞在日数により按分します。14万円×3日/7日=6万円が業務上必要な部分として損金に算入され、残りの8万円については原則として役員A氏に対する給与となります。往復の旅費20万円については全額が損金に算入されます。
したがって損金に算入される金額は、合計で26万円となります。
和知