個人事業税について
8月には「個人事業税」第1期の納期限が到来します。
今回は、個人事業税について触れたいと思います。
分類 : 地方税
概要 : 個人の方が営む事業のうち、地方税法等で決められた事業(法定業種)に対してかかる税金です。現在、法定業種は70の業種があり、ほとんどの事業が該当します。
申告の期限、方法 : 個人で事業を営んでいる方は、毎年3月15日までに前年中の事業の所得などを所管の都道府県税事務所等へ申告することになっています。ただし、所得税の確定申告や住民税の申告をした方は個人の事業税の申告をする必要はありません。この場合には、それぞれの申告書の「事業税に関する事項」欄に必要事項を記入してください。なお、上記に関わらず年の中途で事業を廃止した場合は、廃止の日から1か月以内(死亡による廃止の場合は4か月以内)に個人の事業税の申告をしなければなりません。
税額の計算 : (「①事業所得又は(及び)不動産所得」+「所得税の事業専従者給与(控除)額」-「個人の事業税の事業専従者給与(控除)額」+「②青色申告特別控除額」-「③各種控除額」)×「税率」=「税額」
①前年の1月1日から12月31日までの1年間の事業から生じた事業所得又は(及び)不動産所得で、事業の総収入金額から必要経費、青色申告特別控除額等を控除して計算します。所得税の確定申告書第1表及び青色申告決算書、収支内訳書の所得金額欄の金額が当該所得です。(ただし、雑所得が課税の対象となる場合もあります。)
②個人の事業税には青色申告特別控除の適用はありませんので、所得金額に加算します。
③(a) 繰越控除
次の控除を受けるには、原則として、所得税、住民税、事業税のいずれかの申告を一定の期限内に毎年行っていることが必要です。
(ア)損失の繰越控除
青色申告者で、事業の所得が赤字(損失)となったときは、翌年以降3年間、繰越控除ができます。
(イ)被災事業用資産の損失の繰越控除
白色申告者で、震災、風水害、火災などによって生じた事業用資産の損失の金額があるときは、翌年以降3年間、繰越控除ができます。
(ウ)譲渡損失の控除と繰越控除
直接事業の用に供する資産(機械、装置、車両等。ただし、土地、家屋等を除く。)を譲渡したために生じた損失額については、事業の所得の計算上、控除することができます。青色申告をした方は、翌年以降3年間、繰越控除ができます。
(b) 事業主控除
控除額は、年間290万円(営業期間が1年未満の場合は月割額)です。
納期限と方法 : 原則として8月、11月の年2回。8月に都道府県税事務所等から送付される納税通知書により各納期に納めます。
なお、これと異なる日に納税通知書を送付された場合は送付される納税通知書に定める納期によります。
納付には、都道府県税事務所等の窓口のほか、口座振替、コンビニエンスストア、クレジットカード納付、金融機関等のペイジー対応のATMも利用できる場合があります。(詳しくは各都道府県税事務所等へお問い合わせください。)
個人事業税の概略は上記のとおりです。
法人成りによる節税を考える場合に、所得税・消費税と並び、影響が大きい税目です。
私の次の回では、地方税法等で決められた事業(法定業種)について、もう少し詳しく取り上げたいと思います。
塚田