27年税制改正⑨ 国外転出の場合の譲渡所得課税の特例の創設
平成27年度税制改正 第9回目 今回は個人所得税の改正の中から、「国外転出をする場合の譲渡所得課税の特例の創設」について記載させていただきます。
○租税条約上、株式等を売却した者が居住している国に、そのキャピタルゲインに関する課税権があることを利用して、巨額の含み益を有する株式等を保有したまま国外に転出し、キャピタルゲイン非課税国で売却するといった課税逃れが可能となっています。
○このため、平成27年7月以後に国外に転出する一定の高額資産家(※)を対象に、
国外転出時に未実現のキャピタルゲインに対して特例的に課税を行うこととします。
※国外転出時において保有する有価証券等の価額が1億円以上の者であり、かつ、原 則として国外転出の日前10年以内において5年を超えて居住者であった者
○また、納税資金が不十分であることを勘案し、納税猶予(最長10年)を選択できることとします(以上、財務省パンフレットより)
この特例のポイントは、
・平成27年7月以後に国外に転出し
・その時に有価証券等を1億円以上保有し、原則として国外転出の日前10年以内に おいて5年を超えて居住者であった者は
・その時に未実現のキャピタルゲインに対して特例的に課税される
ということです。
なお、未現実のキャピタルゲインにへの課税のため、納税資金の不足が生ずる事を考慮し、納税猶予や課税の取り消しの規定が付記されています。
塚田