27年税制改正⑦ 受取配当金
今回は、受取配当金の益金不算入制度の改正点についてご紹介いたします。
(1)受取配当金の対象株式等の区分及び益金不算入割合が変更となります。
保有割合が3分の1超の株式等については、一部区分名が変わるだけで計算方法に変更はありません。
保有割合が3分の1以下の株式等については、負債利子の控除が不要となった上で、
益金不算入割合が下記の通り一部変更になります。
① 完全子法人(100%子会社) →益金不算入割合:100% (従来:100%)
② 保有割合3分の1超100%未満 →益金不算入割合:100% (従来:100%)
③ 保有割合25%以上3分の1以下 →益金不算入割合:50% (従来:100%)
④ 保有割合5%超25%未満 →益金不算入割合:50% (従来:50%)
⑤ 保有割合5%以下 →益金不算入割合:20% (従来:50%)
(上記のうち、負債利子の控除が必要となるのは②のみです)
(2)株式投資信託の収益の分配金についても益金不算入額が引き下げられています。
① 特定株式投資信託の収益の分配金 →益金不算入割合:20%(従来:50%)
② ①以外の証券投資信託の収益の分配金 →益金不算入割合:0%
(従来:分配金額の2分の1or4分の1の50%)
(3)まとめ
改正の理由としては、他の投資機会との選択を歪めないようにということらしいです。
例えば100万円で購入した株式について、5万円の配当を受け、その後95万円で売却した場合、
プラスマイナス0のように思えますが、税金計算上はこの5万円の配当金について益金不算入
制度が使える(※)ため、実際は納税額が減った分だけプラスになります。
そのため、他の投資に比べて有利になりやすい状況をちょっとだけ修正したということですね。
※購入後すぐに売却した場合には適用できません。
一定期間はその株式等を保有しておく必要があります。
和知 秀永