28年税制改正④ 軽減税率導入後の事務手続き①
平成28年度税制改正 第4回目 軽減税率導入後の事務手続き①
軽減税率が導入された場合の事務手続きについてご紹介いたします。
消費税率10%導入時から4年間(本来は平成29年4月から平成33年3月まで)は簡素な方法として「区分記載請求書等保存方式」となります。
事業者ごとに分けてご説明いたします。
1.課税事業者で飲食料品を取り扱う小売・卸売業(スーパーマーケット)や飲食業
これらの事業者は軽減税率対象品目の「売上・仕入れ」が両方あります。
①売上の事務手続き
発行する請求書や領収書にこれまでの記載事項(発行者や受領者の氏名・名称、取引の年月日、内容、対価の額)に加えて「軽減税率対象品目である旨」と「税率ごとに区分して合計した対価の額」を記載することになります。
②仕入れの事務手続き
取引先から「区分記載請求書等」を受領します。この区分記載請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります。
なお、受領した区分記載請求書等に「軽減税率対象品目である旨」と「税率ごとに区分して合計した対価の額」の記載がない場合は、買い手が事実に基づき追記できます。
2.課税事業者で軽減税率対象品目の「仕入れのみ」ある場合
こちらは多くの事業者が該当します。軽減税率対象品目の売上はありませんので、上記1①の手続きは不要です。
上記1②の手続きのみ必要になります。
簡素な方法とはいえ、事業者の事務負担は増えるでしょう。
なお、今までどおり、支払対価の額が3万円未満の場合や区分記載請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるときは帳簿のみの保存により仕入税額控除をすることができます。
星野