【法人課税】賃上げ促進税制の強化(令和6年度税制改正)
法人課税における賃上げ要件の見直しについて、理解しましょう!
物価高に負けない構造的・持続的な賃上げの動きをより多くの国民に広げて、効果を深めるために、賃上げ要件などについて、以下のような見直しが行われます。
- 大企業
物価高に負けない賃上げの牽引役として、より高い賃上げのインセンティブを強化するために、3%の賃上げ率は維持し、段階的に7%まで、さらに高い賃上げ率の要件を創設します。 - 中堅企業
新たに従業員2000以下の企業である中堅企業枠を創設し、地域の良質な雇用を支える中堅企業にも賃上げしやすい環境を整備するため、3%・4%の賃上げ要件を設定します。 - 中小企業
賃上げの裾野をより一層広げるために、赤字の中小企業にも賃上げインセンティブとなるように、繰越控除措置を創設します。賃上げ率の要件1.5%・2.5%および控除率は維持します。
改正後 ※3年間の措置
人材投資や働きやすい職場づくりのインセンティブを付与するため、教育訓練費を増やす企業へ上乗せ措置の要件を緩和し、子育てとの両立支援や女性活躍支援に積極的な企業への上乗せ措置を創設します。
大企業
継続雇用者給与総額 | 基本控除率 | 教育訓練費 +10%に緩和 |
女性活躍子育て支援 (新設) |
合計控除率 最大35% |
+3% | 10% | +5% | +5% | 20% |
+4% | 15% | +5% | +5% | 25% |
+5% | 20% | +5% | +5% | 30% |
+7% | 25% | +5% | +5% | 35% |
※プラチナくるみん or プラチナえるぼし
中堅企業
継続雇用者給与総額 | 基本控除率 | 教育訓練費 +10%に緩和 |
女性活躍子育て支援 (新設) |
合計控除率 最大35% |
+3% | 10% | +5% | +5% | 20% |
+4% | 25% | +5% | +5% | 35% |
※プラチナくるみん or えるぼし三段階目以上
中小企業
中小企業の繰越控除新設:5年間
※繰越控除する年度は全雇用者給与総額対前年度増が要件となります
継続雇用者給与総額 | 基本控除率 | 教育訓練費 +5%に緩和 |
女性活躍子育て支援 (新設) |
合計控除率 最大45% |
+1.5% | 15% | +10% | +5% | 30% |
+2.5% | 30% | +10% | +5% | 45% |
※くるみん or えるぼし二段階目以上
京都ミライズ税理士法人からのワンポイントアドバイス
賃上げ促進税制は毎年改正されています。
今回の改正では、中小企業は繰越控除が新設されました。