【消費課税】インボイス制度の円滑な実施に向けた軽減措置(令和5年度税制改正)
消費課税に関連するインボイス制度に対する負担軽減措置について、理解しましょう!
インボイス制度の円滑な実施に向けた措置
1.小規模事業者向け 納税額にかかる負担軽減措置
- 免税事業者であったものがインボイス発行事業者となることを選択した場合の負担軽減のため、納税額を売上税額の2割に軽減する緩和措置が3年間あります。
- 業種に関わらず、売上・収入を把握するだけで消費税の申告が可能となるため、簡易課税を選択するよりも、事務負担が大幅に軽減されます。
※事業者免税点制度の適用を受けられなくなることを対象として、インボイス制度の開始〜令和8年9月30日まで適用できます
※負担軽減措置の適用については、事前の届出は不要で、申告時に選択適用できます
軽減の例
小規模事業者 売上700万(税70万) | 本則課税 仕入150万(税15万) | 納税55万 |
小規模事業者 売上700万(税70万) | 簡易課税 みなし仕入350万(税35万) ※売上税70万の50% |
納税35万 |
小規模事業者への負担軽減措置 | 売上税額の2割に軽減 ※売上税70万の20% |
納税14万 |
2.一定規模以下の事業者向け 事務負担の軽減措置
- インボイス制度実施における、事務負担を軽減するため、前々年・前々事業年度の基準期間における課税売上高が1億以下の事業者には、インボイス制度施行から6年の間、1万円未満の課税仕入れのインボイス保存がなくても帳簿だけで仕入れ税額控除が可能となります。
※基準期間の課税売上高1億超であっても、前年・前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間お課税売上高5000万以下の場合、特例の対象となります
3.少額な返還インボイスの交付義務 見直し
- 事業者の実務・事務負担を軽減するため、1万未満など、少額な値引きなどに対しては、返還インボイスの交付が不要となっています。
※買手が銀行振込などで振込手数料を差し引いて支払った場合、売手は返還インボイスの交付義務がありますが、1万以下のため不要となります
京都ミライズ税理士法人からのワンポイントアドバイス
インボイスの負担軽減のため、軽減措置が設けられました。
相手先がインボイス発行事業者か否かで区分するのは手間がかかりますが、売上高1億円以下の事業者については6年間、1万円未満の課税仕入についてはその手間が省けます。