【相続税の計算の流れ1.】相続人の各課税価格を計算する
相続税計算の流れの1つ目である『相続人の各課税価格の計算』について細かく理解しましょう!
まず、最初のステップとしては、相続人が”亡くなった被相続人”から引き継いだ財産を集計し、非課税になる財産や控除対象となる財産を差し引きます。
そして、相続税がかかる相続財産の価格である課税価格を算出します。
課税価格は、以下のように加算する4つの財産と、差し引きする2つの項目をもとに計算します。
課税価格
=(本来の相続財産+みなし相続財産+相続時精算課税による贈与財産+生前贈与加算)ー(非課税財産+債務・葬式費用)
加算1. 本来の相続財産とは?
被相続人が所有していた預貯金・株・土地・建物などの財産のことを指し、金銭に換算することができる経済的価値のあるものを指します。
加算2. みなし相続財産とは?
生命保険や死亡退職金など、被相続人が亡くなったことによって、相続人が受け取る財産を指します。
加算3. 相続時精算課税による贈与財産とは?
生前、子または孫に贈与をしたときに贈与税を軽減する代わりに、相続のときに生前に贈与していた財産を相続人に加算する制度のことを指します。
※相続財産として加算される金額は、贈与時の価格を適用します。
※生前、贈与があったときに、贈与税を納付するか、相続時におさめる相続時精算課税にするか、贈与された側が選ぶことができます。
加算4. 相続開始前3年以内の贈与財産(生前贈与加算)とは?
相続開始前3年以内に亡くなった被相続人から贈与を受けた場合、その受けた財産は相続財産として加算されます。
※相続財産として加算される金額は、贈与時の価格を適用します。
差し引き1. 非課税財産とは?
墓地・墓石・仏具などは相続税の課税対象とならず、生命保険金・死亡退職金の一定額は課税対象とはなりません。
生命保険金・死亡退職金の非課税額
非課税限度額 = 500万 × 法定相続人の数
※相続人が生命保険金・死亡退職金を受け取った場合、上記が非課税限度額となりますが、相続放棄した人が保険金などを受け取った場合は、その放棄した人の金額は非課税の適用はありません。
※相続税の計算においては、法定相続人の数は、民法と異なる扱いになっていることにご注意ください。
弔慰金の非課税額
遺族を慰めるために送られた弔慰金については、以下の範囲内で非課税となります。
業務上の死亡の場合 | 非課税限度額 = 死亡時の給与 × 36ヶ月分 |
業務外の死亡の場合 | 非課税限度額 = 死亡時の給与 × 6ヶ月分 |
差し引き2. 債務控除とは?
被相続人の借入金などの債務を承継した場合、マイナスの財産をプラスの資産から控除することができます。
また、葬式費用なども課税価格から控除することができます。
控除対象になる | 債務(借入金・未払いの医療費や税金) 葬式費用(お通夜・告別式・火葬・納骨) |
控除対象とならない | 債務(生前に購入した墓地の費用など) 葬式費用(香典返し・法要費) |
京都ミライズ税理士法人からのワンポイントアドバイス
葬式の際に僧侶などに支払ったお布施も債務控除の対象となります。
但し、領収書はもらえないことが一般的ですので、名前、住所、金額、日付などは記録しておきましょう。
※投稿時点の情報であり、現在の法律と変わっている可能性がございます。ご了承くださいませ。