所得税が課税されないもの/計算の主な流れ/青色申告の要件と特典は?
所得税について、課税されないものは何があるのか、どのような計算方法で課税されるのか、申告の仕方として白色申告・青色申告があることを知っておきましょう!
所得税が課税されいない、非課税となるもの
以下、5つのものには、所得税が課されません。所得税計算の際、ご注意ください。
- 労災の給付・失業給付・障害給付・遺族給付など、社会保険による給付金
- 月額15万円までの通勤手当
- 30万超の貴金属を除く、生活用動産の譲渡による所得
- 損害保険や生命保険の保険金における、身体の障害などに起因して支払われた金額
- 損害保険の保険金で、資産の損害に起因して支払われた金額
所得税を計算する場合の主な流れ
流れ【1】 | 10種類の所得に分けて、所得金額を計算する |
流れ【2】 | それぞれの所得の金額を計算し、課税標準を計算する |
流れ【3】 | 課税標準から14種類の所得控除を引いて、課税所得金額を計算する |
流れ【4】 | 課税所得金額に税率をかけ、所得税額を計算する 所得税額から住宅ローン控除・配当控除など税額控除を引いて、申告する税額を計算する |
総合課税と分離課税 それぞれの課税方法について
上記の流れで計算された金額は、原則的には合算されて課税される総合課税となりますが、他の所得と分離して課税される分離課税となる所得もあります。
分離課税は、さらに以下の2種類に分かれます。
- 申告分離課税・・・所得を得た人が自分で税額を申告する
- 源泉分離課税・・・所得から税金が天引きされる
青色申告とは?白色申告とは?
青色申告 | 複式簿記を用いて、各取引を帳簿に記録していき、所得税を計算して申告することを言います。 ※かつて青色の申告用紙が使われていたため、青色申告と言われるようになりました。 |
白色申告 | 青色申告以外の申告のことを言います。 |
青色申告が可能な3つの所得
不動産所得・事業所得・山林所得の3つが青色申告が可能で、以下の語呂合わせで覚えてください。
『青色申告は、ふじさん』ふ(不動産所得)・じ(事業所得)・さん(山林所得)
青色申告の主な要件
- 不動産所得・事業所得・山林所得がある
- 青色申告する年の3月15日までに青色申告承認申請書を税務署に提出する(1月16日以降に開業する人は開業日より2ヶ月以内)
- 帳簿書類を整備し、取引を記録して、7年間保存する
青色申告することで得られる主な特典
白色申告に比べて、青色申告は帳簿を備える必要があり、手間がかかりますが、青色申告にすることで、以下のようなメリットがあります。
青色申告特別控除 | 65万円の控除(※注)・・・簿記に基づき作成された貸借対照表・損益計算書を添付 10万円の控除・・・65万控除以外のケース ※控除を受けることで、所得金額が減ることになり、税金が減る (※注)「令和2年分以後は55万円。但し、電子申告の場合は65万円。」 |
青色事業専従者給与の必要経費の参入 | 一緒に暮らす家族へ支払った給与を必要経費にできて、経費算入できるため、節税になる |
純損失の繰越控除・繰戻還付 | 赤字が出た場合、損失を翌年以降3年間、所得から控除できる 前年も青色申告の場合、損失を前年の所得から控除し、前年分の所得税の還付を受けられる |
京都ミライズ税理士法人からのワンポイントアドバイス
青色申告は税金のメリットが大きく、節税にもなります。
白色申告でも帳簿の保存等は必要ですので、事業・不動産所得の申告をするのであれば、是非、青色申告をお勧めいたします。
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