平成29年度 税制改正について(中小企業・個人事業主向け)②
前回につづき、平成29年度税制改正についてご紹介させていただきます。
今回は「中小企業投資促進税制の延長」「中小企業経営強化税制の創設」について記載させて
いただきます。
中小企業投資促進税制の延長 ・ 中小企業経営強化税制の創設
平成29年3月末までの優遇措置である「中小企業投資促進税制※」が、下表のとおり分解され、
結果として2年間延長された内容となっております。
① 「中小企業投資促進税制」の通常措置 → 対象設備から器具備品が控除され、2年間延長
② 「中小企業投資促進税制」の上乗せ措置 →「中小企業経営強化税制」に改組(適用期限2年間)
「中小企業投資促進税制の上乗せ措置」は廃止されますが、一部内容を改組のうえ新たに「中小
企業経営強化税制」が創設されます。
従来の上乗せ措置とほぼ同様の内容ですが、主な変更点は以下のとおりです。
(1)適用を受けるために「経営強化法」の認定が必要
今までは、確定申告書に所定事項の記載又は所定書類を添付することで適用を受けることが
できました。
しかしながら、今後は、固定資産税の特例と同様、各事業分野の担当省庁に「経営力向上
計画(下記参照)」を提出し、経営強化法の認定を受ける必要があります。
(2)対象資産が拡充
従来の機械装置に加え、一定の器具備品や建物付属設備が追加されたため、広く利用可能と
なりました。
※「中小企業投資促進税制」とは
中小企業者等(資本金額1億円以下の法人、農業協同組合等)が、一定の設備投資を行った
場合に「特別償却(30%)」又は「税額控除(7%)」の適用を認める措置(通常措置)です。
※税額控除は資本金3,000万以下の法人に限定。
なお、「生産性の向上に資する設備」の取得や製作等をした場合については、下記の上乗せ
措置があります。
1.特別償却割合30%が即時償却(100%)に変更
2.税額控除の割合を7%から10%に変更(個人事業主、資本金3,000万円以下の法人)
3.資本金3,000万円超1億円以下の法人に税額控除(7%)を適用
経営力向上計画について
1.経営力向上計画とは
人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、自社の経営力を向上する
ために実施する計画です。
2.主な記載事項
「企業の概要」「現状認識」「経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を
示す指標」「経営力向上の内容」「対象設備の拡充」等を記載します。
※記載例や申請書の内容は「申告書様式類(中小企業庁)」をご参照ください。
3.申請方法
「経営力向上計画認定申請書(原本・写し)」「経営力向上計画 申請書提出用チェックシート」
を各事業分野の所管窓口に郵送などで提出します。
固定資産税の特例を受ける場合は、追加で「工業会等による証明書」が必要となります。
※提出先ごとに申請書様式や提出方法が多少異なります。
提出前に「経営力向上計画策定・活用の手引き(申請の手引き)」にて所管窓口にご確認ください。
設備資産の購入を検討している場合は、優遇措置の適用を受けることで税金を抑えることができます
ので、ぜひご検討ください。
嶋村 真崇